Hostinger という格安の海外レンタルサーバーがありますが、日本で実際に使っている人の情報はほとんどありません。日本語のブログ記事を見つけたと思っても、古い記事だったり、よく読むと海外の自動翻訳された記事だったりします。
不安もありましたが、30日間は返金可能なため、人柱となるつもりで Hostinger のレンタルサーバーを契約してみました。ここでは、Hostinger の評判や特長、WordPress 運用に関する情報を共有したいと思います。
一言で言うと、フレンドサーバーの代わりになるような海外の格安サーバーを探している方で、英語がそれなりにできる方にはお勧めです。
Hostinger を選んだ理由
私が Hostinger を選んだのは、次の条件を満たす唯一のレンタルサーバーだったからです。
- 北米にサーバーがあり高速
- WordPress が利用しやすい
- 無料 SSL(https)
- とにかく安い
私はこのブログのほかに北米を対象にした英語ブログも WordPress で運営しているのですが、レンタルサーバーは日本のカラフルボックスを利用していました。
すると、北米からのページ速度がやや遅いことに気づき、やはり北米にサーバーのあるレンタルサーバーが望ましいと思うようになりました。
とはいえ、弱小ブログに毎月千円以上は払いたくないし、SEO のためには SSL なしのサーバーは考えられません。
海外の格安レンタルサーバーは少ない
日本には月々500円以下で SSL 対応のレンタルサーバーがいくつもあるので、海外にもあるだろうと低価格レンタルサーバーを探したわけですが、意外と見つかりません。定評ある Bluehost、Dreamhost、SiteGround、HostGator などは、どれも一見安いようで、安いのは初回契約時のみという問題がありました。いざ購入画面に進んで価格をよく見ると、更新時の料金は倍以上になってしまうことがザラです。
たとえば、Bluehost の最安プランは2.9ドルくらいと書かれていますが、1年や3年の初回契約後の更新時には、月9.99ドルの料金がかかるようになっています。1 サイト限定のプランですら、この料金です。
フレンドサーバーはどうか?
調べていると、フレンドサーバーという、日本語が充実している海外格安レンタルサーバーも候補に挙がりました。月3ドル~と価格は魅力ですが、一癖ありそうで、SSL 化に手こずりそうだし(公式ページも非SSL)、PHP のバージョンが低くて無事に移行できるかどうかも気になります。
なにより、フレンドサーバーは現時点で新規入会を一時停止しており、いつ再開するのかも不透明です。スモールビジネスゆえの不安点がいくつもあります。
Hostingerとは?
日本語で海外の格安レンタルサーバーを探しても一向に見つからないため、仕方なく、英語で前記条件のレンタルサーバーを探してようやく見つけたのが、Hostinger でした。
参考にしたのは、以下の英語ページです。

Hostinger は 2004 年に設立された歴史あるサーバープロバイダであり、近年世界的に急速に成長している企業です。Wikipedia にも Hostinger の日本語項目があるくらいで、世界で2900万人以上のユーザーを抱えているそうです。
データセンターは世界7か国(欧州、北米、シンガポール、インド、ブラジル)にあり、選択できます(英語の詳細ページ)。
海外のレンタルサーバー比較サイトでチェックすると、低価格のレンタルサーバーでありながら、スピードやパフォーマンスに関しても評判は上々といった感じで紹介されています。
気になる料金は、一番安い Single Web Hosting プランで月119円、更新時で月449円とあります(現時点)。
WordPress Hosting プランでは、月219円、更新時で月329円です。今後何年も WordPress 1 サイトのみで運用することを考えている私にとっては、後者のプランが最適そうです(初期費用重視なら前者が安くなります)。
フレンドサーバーより低価格でありながら、無料 SSL 付きであり(一昔前はオプションだったようです)、スペックやサービスは充実しています(詳細は Hostinger のサイトでご確認ください)。
また、Web サーバーには高速な LiteSpeed が採用されていて、SEO で重要なスピードに関しても問題はなさそうです。
ほかに有力な選択肢が見つからないこともあり、「これしかない」と思い、早速契約してみました。
ちなみに、Hostinger はアダルトサイトにも使用可能だそうです(英語の公式回答ページ)。
Hostinger のデメリット
契約したものの、Hostinger には欠点もいくつかあります。
日本語向けではない
それは、日本語や日本向けのサービスが充実していないことです。公式サイトで日本国を選んでも円表示になるだけで、記述は英語のみです。日本での利用者も多くないようで、日本語のサポート情報は期待できません。最近の自動翻訳は便利ですが、そこだけはやや不安要素かもしれません。
とはいえ、Hostinger はリトアニア発の国際企業であるためか、使われている英語は簡潔・平易であり、非常にわかりやすいと感じました。
誰にでも最適なサーバーではない
また、英語が問題ない方にとっても、スピードやサポート体制などの総合的な評価がより高いレンタルサーバーは他に多数あります。
料金重視でない場合には、Hostinger を選ぶ理由は特にないかもしれません。
初期費用はそこそこかかる
Hostinger の長期的なコスパは抜群に優秀と思います。
しかし、料金重視の場合でも、後述するように、最安値は長期契約の場合の価格です。初期費用を抑えたい場合には、Single Web Hosting プランで契約するか、1 年契約でそこそこ安いレンタルサーバー Namecheap が選択肢に入ってくるかもしれません。
最安プランはドメインなし
無料でドメインが付属するレンタルサーバーも多くありますが、Hostinger の最安プランではドメインが付属しません。ドメインも欲しい場合は、上位のプランや Namecheap などが選択肢になるかもしれません。
もちろん、私のように他社で独自ドメインを取得している場合には、まったく問題ありません。
Hostinger を使ってみた感想
契約からサイト移行まで行ってみたところ、想像以上にかんたんでした。
まず、Single WordPress プランをカートに入れ、金額を確認します。
ここで、月219円というのは48か月(4年)の長期契約を結んだ場合であることが判明します。しかし、それより短い期間だと割引率が低く、更新時の価格も変わってくるため、他の選択肢は選ぶ気になれません。まあ、そんなもんでしょう。
そのほかに登録するのはメールアドレスとクレジットカード(Google Payなども選択可)だけで、余計な情報を提供しなくてよいことは好印象でした。
その後はいくつかの簡単な質問(用途やドメインなど)に回答するだけで、WordPressのインストールまでが数分で完了していました。必要最小限のガイド的な通知やコメントがわかりやすく表示されるので、迷うことがありません。
物理サーバーの位置は自動割当てではなく、世界の複数個所から選択できたので、米国アリゾナ州のサーバーを選択しました。
独自の管理画面である hPanel は、cPanel ほど多機能ではないようですが、シンプルでむしろ使いやすいと感じました。
WordPressのインストールを終え、ドメイン(私はGMOのムームードメインを利用)のネームサーバーを指定されたサーバーにポイントするよう設定すると、約3時間後には WordPress の管理画面に入れるようになっていました。
SSL 化は、「SSL」というタブで Lifetime SSL の右側にある「Setup」ボタンを押しておいたら、WordPress 管理画面に入れるようになって間もなく Active になりました。Active になる前に「Dashboard」で「Force HTTPS」や「SSL Certificate」を設定しようとすると有料の表示が出たので少し戸惑いましたが、時間が解決し、追加料金はかかりませんでした。
WordPress の管理画面に入ると、基本的なプラグインはすでにいくつかインストールされています。サイトの移行に使用するつもりだった「All-in-One WP Migration」というプラグインもインストールされていたため、これを使って簡単に移行することができました(移行元サイトであらかじめエクスポートしておく必要があります。手順の詳細はプラグイン名で検索すれば見つかります)。
これといったトラブルがなく簡単に移行できたので、今のところ大満足です。
WordPress の管理画面は重くなく、スムーズに動きます。ページ速度などはこれから確認したいと思います。
興味のある方は、Hostinger のサイトをチェックしてみてください。