第二種電気工事士の技能試験では作業用工具を持参する必要があり、指定工具+α を用意する必要があります。ここでは、必要十分な工具セットを安く揃える方法をご紹介します。
指定工具とは、だいたい金額の高い順に並べると、
- リングスリーブ用圧着工具(JIS C 9711:1982・1990・1997 適合品)
- ペンチ
- ウォータポンププライヤ
- ナイフ
- ドライバ(プラス、マイナス)
- スケール
の6種類です。
ただし技能試験では、指定工具以外の工具も使用することができます(電動工具などを除く。詳細は電気技術者試験センターの受験案内を参照)。
指定工具以外で重宝する工具は、ワイヤーストリッパーです。電気工事士試験を受けるほとんどの方は、制限時間内にすばやく効率的に作業するために利用しています。
オススメの指定工具セットとデメリット
第二種電気工事士の技能試験向け工具セットは、Amazonで「電気工事士 工具セット」と検索すれば見つかるように、各社から販売されています。
なかでも一番有名で一般的なのが、ホーザン(HOZAN)の工具セット DK-28 です。
ホーザンの工具は定評あり、全部揃っていて良心的な価格なので、技能試験用に使いやすい工具を新品で入手したい方にはお勧めです。
一方、DK-28 のデメリットとしては、電気工事士試験に必要最小限のサイズが選定されているため、試験後の実務では小さくて機能不足になる可能性があることです。小型であることは持ち運びや作業性などの点ではメリットですが、その後の使用も考えている場合は、この点も考慮して選ぶことをお勧めします。
たとえば、圧着工具は P-738 などのミニ版の場合、「中」までの刻印サイズにしか対応できず、「大」に対応していません(「大」は技能試験で出題されず、実務でも使用頻度は低い)。また、195mm のウォータポンププライヤも、他の用途を考えるとやや小ぶりです(第二種の技能試験には十分で、むしろ小型で使い回しが良いという見方もできます)。
その他のオススメ工具セット
技能試験向け工具セットは、ホーザン以外にもツノダ(TS-E01)や SK11(SDK-9TC)などいくつか販売されています。ホーザン以外での私のお勧めは、マーベル(MARVEL)の MDKS-17VA です。
価格は楽天の最安値でホーザンと同じくらいですが、以下の特長があります。
- 圧着工具は「大」まで対応
- ウォーターポンププライヤーがホーザンより少し大き目
- メジャーが布尺ではなく巻尺
そして何より、収納ケースがカッコいいのが、個人的にツボです。
ホーザンのセットと比べると、ハンドブックがないなどの短所もありますが、対策は別の専用の本(お勧めは『ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士技能試験すい~っと合格: 入門講習DVD付き』)や YouTubeチャンネルなどでも効率的に対策できます。
マーベルの各工具の評判も問題ないので、上記の特長を重視する場合や、他の人と被りたくない場合はお勧めです。
とにかく安く揃える方法
とはいえ、上記の工具をすべて揃えると、1万2千円くらいかかります。もっと安く済ませたい場合は、以下の方法もあります。
個別に購入する
一部の工具をすでに持っている場合は、個別に購入したほうが安上がりです。
以下に、第2種電気工事士の技能試験向きで定評があり、比較的安価な製品を1つずつセレクトして紹介します。
・リングスリーブ用圧着工具(JIS 適合品)
ツノダ リングスリーブ用圧着工具 TP-R(参考価格:\4,136)
・VVFストリッパー
ホーザン P-958(参考価格:\2,900)
・ペンチ
エンジニア 電工ペンチ 175mm PD-07(参考価格:\1,300)
・ウォータポンププライヤ
ホーザン P-244(参考価格:\1,282)
ウォータポンププライヤは技能試験公表問題No.11でアウトレットボックスにねじなし電線管を接続する際に使用しますが、こちらの解説動画をみると、手袋があればプライヤを使用しないでも締め付けは可能です。また、ホーザンの合格マルチツール(以下)を使用して締め付ける方法もあり、こちらのほうが安上がりです。
・ナイフ
マーベル 電工ナイフ MEK-70(参考価格:\1,027)
電工ナイフはゴムブッシングに切り込みを入れる際に使用しますが、ホーザンの合格マルチツールを使用して切る方法もあり、こちらのほうが安上がりです。ただし、ナイフのほうが使いやすいし、それほど高額ではないので用意することをお勧めします。
VVRケーブルを剥く際にもナイフを使うことができますが、これもナイフを使わずにストリッパーで剥く方法があります。ゴムブッシングの切り込みだけなら、ただの小型ナイフやニッパーで代用することもできます。なお、カッターナイフで代用することは危険なため自粛するよう受験案内に書かれています。
・ドライバ(プラス、マイナス)
ホーザン 電工ドライバーセット(参考価格:\1,381)

・スケール
シンワ測定 テープメジャー 1.5m(参考価格:\152)
※百円ショップの定規でも巻き尺でも、使いやすければ問題ありません。
仮に上記の製品をすべて Amazon で購入した場合、合計で \12,178 でした(2023/1/7時点の価格であり、変動します)。
工具セットを購入する場合とほぼ同じ値段で、物によってはセット品より使いやすいこともあるため、個別に購入するのも意外と悪くありません。
既に持っている工具や、不必要と判断した工具を買わなければ、大幅に節約できます。
フリマアプリを利用する
最も安く購入する方法は、中古品を購入することです。
セット品を購入し、練習と技能試験が終了したら工具セットを売るという人は結構います。
そのため、メルカリなどのフリマアプリでは、電気工事士試験向きの工具セットが多数販売されています。
試験後に工具が要らない人にとっては、用済みになってすぐ売るのが最も低コストな方法でしょう。
サビや故障などのリスクは新品より高くなってしまいますが、きちんとしたメーカー(ホーザン、マーベル、ロブテックス (エビ)、ツノダ、ベッセルなど)の工具で、使用回数が少なければ大丈夫なことも多いはずです。
なお、ホーザンのセット DK-28 などはよく出品されていますが、人気のため、1万円以上程度とそれほどお得感がありません。
「電気工事士 工具セット」で検索すると、掘り出し物が見つかることもある感じです。
私はいろいろ物色した結果、さまざまなメーカー品が混ざっているセットを8千円で購入しました。使い勝手は問題ありませんでしたが、工具や工具袋にタバコ臭が染みついていたのが少し残念でした…
なお、フリマアプリはメルカリが最大手ですが、10% の販売手数料は高すぎるので、最近は 手数料5% の「PayPayフリマ」を頻繁に利用しています。使い勝手はメルカリとほぼ同じで、利用者が増えていて手数料が低い分、掘り出し物が見つかりやすい印象です。
・PayPayフリマ
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紹介コード【IPYN7J】
練習用材料セットはレンタルがおすすめ
技能試験の練習には、各種器具や電線が必要です。
これらはずっと使うものではないため、メルカリなどで中古を購入することもできます。
しかし、中古で購入した場合、何が揃っていて何が足りないかを確認したり、減っている電線を買い足したりと、何かと手間がかかります。
そこで、練習用材料セットに関してはレンタルがお勧めです。
次のサービスがあります。
とにかくお金をかけたくないという場合は、以下の記事もご覧ください。
電気工事士技能試験で私が使うお勧めの小道具については、以下の記事をご覧ください。